中高年の方で膝痛に悩む人が多いのは加齢とともに膝の軟骨が弱く膝を支える周囲の筋肉が弱くなるためです。
膝の構造を知っていますか?膝は大腿骨(太腿の骨)と脛骨(すねの骨)、膝蓋骨(皿の骨)で構成されておりこれらの骨が人体や筋肉、関節の袋などで覆われて関節として働いています。
大腿骨と脛骨の接触部分は軟骨で覆われ、その隙間に半月板があり、膝への負担を減らす役割をしています。
膝痛の原因はさまざまで、変形性膝関節症といわれる、高齢者などに多い筋力の低下や加齢による膝軟骨のすり減り、半月板の損傷や運動不足、体重増加(歩行では体重の約3倍、階段昇降では体重の5倍が膝に加わります)による膝への負担。またスポーツや仕事でのオーバーユースなどがあります。
この一般的な原因が本当に膝痛の原因なのでしょうか?
痛みの強さと関節の変形程度が必ずしも比例するわけではありません。
痛みがない膝関節を調査した研究でも膝関節の変形や半月板の損傷が診られ、痛みの原因が関節の変形や半月板の損傷ではないのではないかと言われています。
骨の変形や軟骨のすり減りがあるとしてもそれ自体は痛みの原因ではなく、股関節や膝の使い方、姿勢や骨盤の歪みや全身のバランス、身体の使い方などが悪く、結果として膝に負担がかかり痛みが出ている方がほとんどなのではないでしょうか?
正しい姿勢や歩き方を指導しただけで階段や歩行時の痛みが改善されることはよくあります。
また膝を庇って生活していると身体のバランスが崩れ腰痛や肩こりを発症することもあります。
「一生自分の足で歩きたい」と言われる方が多いのですが、そのためには膝関節だけでなく股関節や骨盤、足関節のバランスが大切です。
自分に合った姿勢や運動など一度ご相談ください。